老人ホームで入所者が浴槽で溺死 「職員さんもかわいそう」と同情の声相次ぐ
労働現場の人材不足が、人の命にも関わる問題になってしまった。埼玉県にある介護老人福祉施設で、入所者の女性が入浴中に溺死。インターネット上では、「介護士さんがかわいそう」「介護は政治問題として改善されるべき」といった声があがっている。
■ほかの入居者の介護中に…
報道によると、亡くなった入所者の女性(86)が入浴するのに、施設で働く介護士が付き添い。女性は車いすに座った状態で浴槽に入っていたということだ。
女性の入浴中、介護士はほかの入所者が服を脱ぐのを手伝うために別の部屋に移動。そのあとに戻ると、女性の口が湯につかった状態になっていた。警察は、入浴手順に問題がなかったかなど、業務上過失致死の疑いを視野に入れ調査している。
■ネットでは「どちらもかわいそう」との声
今回の報道を受け、「Yahoo! ニュース」では、「介護士も亡くなった女性もかわいそう」とのコメントが寄せられている。また、今回の事故が起こった背景には、介護施設の人材不足があることを指摘する声も見られた。
「1人で2人の入浴介助って大変だと思うし、それをやらなきゃいけない介護施設の現状がある。これを改善しなければ、また事故が起きちゃいますよ」
「介護士さんがかわいそう。職場環境の改革なんて甘い考え。介護を政治問題として政府がうごかなければ、介護事故は永遠に終わらない」
「こんなに大変な仕事なのに介護職全体で賃金が安いから、人が集まらない。だから1人でいろいろ見なければならない現状。ほかの施設も人ごとではない」
「わざとじゃないから、介護職も亡くなったおばあちゃんもかわいそうだね」
■自分の会社がブラック企業だと思う人は?
しらべぇ編集部では以前、全国20~60代の有識者747名を対象に、「ブラック企業」についての調査を実施。結果、男女とも、およそ2割の割合の人が「自分が勤めている企業・組織はブラックだと思う」と回答していた。
介護現場の人材不足によって起こってしまった、今回の事故。同じことが繰り返されないためにも、業界全体での改革が望まれる。