安倍首相の辞任受け、潰瘍性大腸炎の患者は… 「本当に悔しい」「無知って怖い」
28日に開かれた緊急記者会見にて、安倍晋三首相が辞任することを発表。退任するに当たっての切っ掛けは安倍首相の持病・潰瘍性大腸炎が関係しており、同症状をめぐっての激しい議論がネット上で起こっている。
■安倍首相の辞任
2007年にも一度、潰瘍性大腸炎の悪化が原因で総理を退任した経験がある安倍首相。恐らくこのことを切っ掛けとし、同症状を初めて耳にした人も少なくないだろう。
指定難病でもある潰瘍性大腸炎は原因が明らかになっておらず、完治に導く治療法や治療薬も見つかっていないのが現状だ。大腸内側の粘膜に炎症が起こり、頻繁に発生する腹痛や下痢、血便などの症状が患者を苦しめる。
今回の会見では、6月の定期健診で潰瘍性大腸炎再発の兆候があったことが明かされ、「7月中旬からは体調が思わしくなく、8月上旬に再発した」「政治においてもっとも重要なことは結果を残すこと。病気がきっかけになって、結果を出せないことがあってはならない。自信を持って応えられない状況になった以上、総理大臣の座を辞することと致します」と説明がなされた。
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■悲しみの声上がったワケ
今回の発表を受けてネット上ではねぎらいの声が多数上がっていたが、「自己管理もできないのか」といった辛辣な声をめぐっての物議も起こっている模様。
潰瘍性大腸炎の患者や、身近に同症状を抱えた人がいる人々からは「心ない言葉が本当に悲しい」「病気に対する無知や偏見が怖い…」など悲しみの声が多数上がっていた。
■同症状の女性に話を聞くと…
安倍首相の辞任を受け、記者は潰瘍性大腸炎の患者である女性に話を聞いた。
女性は同症状を10年ほど前から患っており、「安倍首相の持病と知られるまでは、周囲に事情を伝えるのが本当に難しかったです…」と苦労を回想。
しかし以前までと比べて病名は浸透したといえど、症状に対する理解を得られるようになったとはあまり実感していないようだ。時には心ない言葉を受けた経験もあるようで、安倍首相の体調に対する中傷的な言葉に対しては「ツイッターで見かけて本当に嫌な気持ちになりました」「今回の件で、少しでも多くの人が、症状や患者の過酷さに関する知識を持ってくれることを願います」と語っていた。