「おばあちゃんの女性服工場を助けて」 医療用防護服製造の呼びかけが話題に
新型コロナがさまざまな業界に大きな打撃を与える中、青森県にあるアパレル工場も、深刻な経営危機に陥った。そこで、立ち上がったのが、孫。投稿したSOSツイートが大反響となり、さらに工場は新たな取り組みを開始。しらべぇ取材班は、その動きを追った。
■受注がゼロになり深刻な危機に
青森県北津軽郡にあるエムズメイトコーポレーションは、2002年9月に創業し、従業員20名の高いスキルが自慢の工場。高級ブランドの女性服をメインに順調な経営を続けていた。
しかし、新型コロナの影響から、4月23日以降受注がゼロとなり深刻な危機に陥った。社長が取引先に「何とかならないか」とお願いしても、「洋服が全く売れないから、無理」と断られてしまったという。
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■おばあちゃんの工場を何とか守りたい
そんな経営危機を心配したのが、孫のあきさん。現在は、離れた場所に住んでいるが、小さい頃から通っていた思い出の場所だという。「おばあちゃんの困っている姿を黙って見ていられなかった」と、SNSにその想いを綴った。
おばあちゃんの工場が #新型コロナ で大変です…助けてください
5月のお仕事がゼロです
現在、少しでも仕事を作るために、最前線で戦う医療現場に貢献するために
医療用防護服を製造しています注文があればいくらでも作ります!
拡散&ご注文よろしくお願いします!#新型コロナで困っています pic.twitter.com/CjqqOe7rQZ— あきさん (@akisannintama) May 4, 2020
結果として、「たくさんの応援を頂いて、大変うれしい」とあきさん。また、社長もスタッフも、「今、自分たちにできることはないか」と考え、新たな取り組みを始めた。
■インドから材料を緊急輸入して
医療現場で防護服が足りないという報道に、社長は心を痛めていたそうだ。「であれば、工場の強みである職人の高い技術を活かして、防護服を作ろう」ということになり、早速材料の確保に動いた。
しかし、国内では材料となる不織布が全く手に入らない現実を知ることになる。そこで、もともと付き合いがあったインドの工場に問い合わせ。
繊維で有名なインドの工場も、ロックダウンで困っていたそうだ。そんな中、エージェントの協力もあり、緊急輸入が決まった。第一便は、航空便で輸送され、今後は、船便で30日かけて、大量に材料が届く段取りになっている。
当初は、月産6,000枚から7,000枚の防護服生産を予定しており、すでに注文も入っているそうだ。松本社長は、「今後も受注を増やし、月産2万枚程度まで生産を上げたい」と意気込みについて語った。