体外受精で受精卵取り違え 肌色の異なる赤ちゃん誕生で高額訴訟へ
不妊治療の受診件数、そして体外受精による妊娠・出産の件数がこのところますます増えているというが、こんなアクシデントも稀には発生してしまうようだ。
■親にまるで似ていない我が子
米国ニュージャージー州の不妊治療専門クリニック『IRMS』で体外受精(IVF)に挑み、6年前に女児を授かっていた白人の夫婦。大切に育ててきたが、その子は2人の家系にはいないアジア系の顔貌および肌と髪の色をしており、夫妻にはまったく似ていなかった。
周囲から「養子を迎えたの?」と聞かれるのはまだ良いほうで、「アジア人男性と浮気してできた子」という陰口まで叩かれていることを知って傷つき、夫妻はやがて離婚した。
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■ミスを認めないクリニック
『IRMS』の医師のミスで受精卵の取り違えが発生したことは明白だとして、2015年に父親と娘の血のつながりについてDNA検査を実施した元夫妻。やはり「親子の可能性は限りなくゼロ」という結果だった。
しかしクリニック側は「そんなミスは絶対に起こりえない」と否定するばかりで埒が明かず、元夫妻はこのほどクリニックと医師らを相手に、日本円にして5,300万円超の損害賠償金を請求する訴訟を起こした。