指導に従わない劣悪保育のベビーホテル 児童が夜道に寝そべる事態も
保育施設での暴行、暴言が立て続けに発生している今。今度は劣悪な保育環境にもかかわらず、指導に従わない認可外保育施設が発覚。内部では児童を野放しにしている事態も。しらべぇ取材班は、静岡県の担当課を直撃した。
■常に保育者が不足
静岡県は今年2月、夜間に園児だけで屋外に出るような劣悪な保育を行うなど基準違反が多いとして、掛川市二瀬川の認可外保育施設「ゆめあい保育園」に対して児童福祉法に基づく改善を勧告。その後も改善が見られなかったことから、2日に施設名の公表に踏み切った。
同園は午後7時~翌午前2時まで開所する定員12人のベビーホテル。平成27年4月の設立当初から保育者が不足しており、改善勧告まで12回にわたって県は立ち入り調査を実施。
県は勧告の中で・常に複数の保育者を配置する・保育者の約3分の1を有資格者とする・保育室以外での保育を行わないなど12項目にわたって改善を求めた。しかし、期限を過ぎても1項目を除いて改善されない状態が続いているという。
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■保育者が児童を残して外出
29年10月の午後10時ごろには園の前の県道で子供2人が寝転がっていると通報があり、30年6月の午後8時ごろには園の前の歩道に出て遊んでいた子供10人が近隣住民に園まで連れ戻されている。
いずれも現場に保育者はいなかった。この時の状況に関して施設側は、「保育者は、児童を残して近くのコンビニに買い物に行っていた」と県に話した。
県は常に2名以上での保育を指導しているが、1名での保育が常態化している。この保育園の経営者は、自動車運転代行業なども営んでいる。県に対して「保育者を募集しているが、応募がない」と話しているという。