91歳が運転のタクシーが死亡事故 高齢化が進むタクシー運転手の実態とは
高齢者による事故の連鎖が止まらない。今度は川崎市で悲劇が起きた。しらべぇ取材班が神奈川県警を取材したところ、タクシー運転手の知られざる実態が浮かびあがった。
■タクシーを呼びとめようと…
神奈川県警は、21日午前2時45分頃、川崎市幸区柳町に住むタクシー運転手(91)を、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕した。
そして、その約7時間後に釈放。容疑は川崎市川崎区東田町の県道で、JR川崎駅方面から産業道路方面へ直進中に、同区大師駅前1丁目に住む会社員の男性(58)をはねたもの。
男性は、病院に搬送されたが、午前5時38分死亡が確認された。現場は片側3車線で、タクシーは中央線側の車線を走行していた。会社員の男性はタクシーを止めるために手を挙げながら、中央分離帯から車道に出たと見られる。
警察は、容疑を過失致死に切り換え、在宅のまま事故原因などを調べる方針だ。
■タクシー運転手の高齢化の実態
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の2017年賃金構造基本統計調査によると、全国のタクシー運転手の平均年齢が59.4歳。最も高齢なのが高知県で65,1歳。ついで栃木県の64.9歳、秋田県の63.9歳と続く。
ちなみに全産業の男性の全国の平均年齢は、43.3歳。そしてタクシー運転手の年間労働時間の平均が2,268時間で、全産業の平均労働時間2,184時間より84時間多い結果となっている。
■高齢者の運転はどうあるべき?
高齢者の事故が止まらない今。しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,368名を対象に調査したところ、20代の26.9%が「65歳を過ぎたら運転はすべきではないと思う」と回答している。一方で60代においては、「運転すべきではないと思う」割合が13,1%だった。
高齢者の免許証返納が増える中、プロのドライバーの高齢化問題をどう解決していくべきかという問題にも直面している。