ネクタイから出ている糸を切ってはダメ? メーカー社長は「背骨を抜くのと同じ」
もともと戦いに向かう男の無事を祈って、女性から贈られたスカーフが始まりだと言われているネクタイ。当時はいわゆるお守りのようなもので、そこに込められているのは大切な人を想う気持ちだった。そんなネクタイの意外な盲点がSNS上で話題を呼んでいる。
■補助するための余裕糸
岡山県津山市にある笏本縫製の笏本(しゃくもと)社長は、Twitter上に「絶対に切っちゃダメ。ネクタイからこんな糸が出てても無茶に引っぱったり切ったりしないで。これはスリップステッチ。結んだり解いたりする時の伸縮を補助するための余裕糸です」と投稿。
絶対に切っちゃダメ。ネクタイからこんな糸が出ててもが無茶に引っぱったり切ったりしないで。これはスリップステッチ。結んだり解いたりする時の伸縮を補助するための余裕糸です。一本の糸で縫っているので、これを切るとバラけてしまいます。まじで大切なこだわりです。だから絶対に糸は切らないで。 pic.twitter.com/54s2bkm7AD
— しゃく社長|職人|笏本達宏 (@shakunone) August 16, 2021
あわせて「一本の糸で縫っているので、これを切るとバラけてしまいます。まじで大切なこだわりです。だから絶対に糸は切らないで」とアドバイスした。
関連記事:ネクタイの結び目は小さいほうがかっこいい? 年代で意識が分かれる結果に
■出したままが正解
返信欄には「すごい! そうだったんですか。出てきたらどうすることが正解ですか?」との質問が寄せられた。笏本社長は「出したままが正解です! ネクタイの中間が緩んできたときに軽く引っ張ると元に戻ります」と回答。
しらべぇ編集部の取材に対しては「糸を切ってしまうことは、魚などの背骨を抜いてしまうことに等しい。すなわちネクタイとしての生命が終わる」と話す。また、「職人がしっかりと作ったものにはこの糸があるが、100円ショップで売られているようなものにはない」と語った。