高校中退してわずか23歳で人気パティシエになった女性 激動の人生を追った
小学生女子のあこがれの職業パティシエ。しかし、業界に入るも夢半ばで去っていく人たちも多い厳しい世界だ。その業界で23歳の若さながら、奮闘を続ける女性がいる。その激動の人生を追った。
■荒れていた時期もあったが
22歳のときに自分の店をオープンさせた人気パティシエ石渡未来(みく)さん(23)。
「17歳で高校中退して、憧れだったケーキ屋さんに全くの未経験で飛び込んで6年.働き始めて2週間、5ヶ月、3年、初めはどうしようもない下手さだったのに、自分のお店開いてもうすぐ一周年です」というツイートが大きな反響を呼んだ。
17歳で高校中退して、憧れだったケーキ屋さんに全くの未経験で飛び込んで6年.働き始めて2週間、5ヶ月、3年、初めはどうしようもない下手さだったのに、自分のお店開いてもうすぐ一周年です。 pic.twitter.com/n7fBTblrml
— 石渡 未来 *Pâtisserie Plaisiraile* (@miku0809i) April 28, 2021
中学時代からパティシエを目指して高等専門学校への進学を目指したが、家庭の事情で断念し、都立高校へ進学。中学時代は祖父母に育てられ、祖父母が経営するそば店を手伝った。また、弟さんの母親代わりも務めた。
「荒れていた時期もあったが、夢を実現させるためにギリギリ踏みとどまれた」と未来さん。
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■毎日泣きながら過ごしていた
都立高校進学後は、アルバイトを続け夢実現のために資金をためた。めどがついた高校2年次に都立高校を中退し、私立の通信制高校に編入。高校の入学金などもすべて自分の貯金でまかなった。
編入と同時に、小さな菓子店に正社員として入店。しかし、「つらいことが多く、毎日泣きながら過ごしていた」という。転機となったのが、2015年に福島県で行われた「第6回高校生パティシエ・シェフコンテスト」。
約300人の高校生が出場する大会で、見事グランプリに輝いた。その後大手ショコラトリー勤務を経て、以前一緒に働いていたパティシエからヘッドハンティングを受けた。
■壮絶な現場を目撃することに
しかし、その店では土下座を強要されるようなパワハラ、セクハラ、賃金未払いなど壮絶な現場を目撃することになり、弁護士にも商談。未来さんや働いていたスタッフの集団退職へとつながった。
これらの経験からいったん日本を離れることを決断し、フランスに渡った。SNSを駆使し、受け入れ先を探し、現地ではグーグル翻訳を使いながらの生活だったという。