リアルな葉が「はがき」として届く? 受取人に感想を聞いてみた
葉書(はがき)の語源は、「タラヨウ」の葉だという説がある。大きくて厚い葉の裏に、くぎなどで傷をつけると、その部分が黒くなるため、インドでは葉にお経を書いていたという。そのタラヨウの葉が、郵便ではがきとして届いたと話題になっている。
■2枚の葉が郵便で届いた
倉敷市立自然史博物館に届いた2枚のはがきには、120円切手がはってあり「タラヨウの葉で手紙を書いてみました」などと書かれている。
博物館に「葉書」が届きました!上が #セイヨウバクチノキ 、下が #タラヨウ という樹木の葉っぱで、どちらも裏面をこすると変色して文字を書くことができます。タラヨウは郵便局の木としても知られています。
(定形外郵便になるので、送ってみたい方はポストに投函せずに郵便局で相談しましょう) pic.twitter.com/EWVJNow8iJ— パオちゃん(倉敷市立自然史博物館) (@kura_n_h_museum) May 3, 2021
差出人は、岡山市半田山植物園。これらの植物を園内で育てており、「葉に文字を書いてみましょう」といったイベントが実際に行われているそうだ。受取人の植物担当狩野氏は、「担当者からその話は聞いてきたが、実際に郵便で届いて驚いた」と話す。
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■直接郵便局に持ち込んで
また狩野氏は、「葉は乾燥するとパリパリになって壊れてしまうおそれがあるため、新鮮なうちに送ることが大事」と語る。また、「切手をはってポストに投函するのではなく、直接郵便局に持ち込み、送れるかどうかの確認を取ったほうが良い」とアドバイス。
なお、写真の上にあるセイヨウバクチノキの葉は、やや厚く、長さ8~15センチ。くぎで文字を書くと、やがて書いた部分が黒くなり、字が浮き上がって見える特徴がある。
■手紙のルーツは飛鳥時代
日本の手紙のルーツは、飛鳥時代といわれており、平安時代にひらがなが誕生したことで大ブームとなった。『源氏物語』や『和泉式部日記』など平安文学の中には、和歌が含まれた文をやりとりするシーンが多々あるが、そのほとんどは恋文。
手紙という言葉が使われるようになったのは江戸時代で、平安時代には「文(ふみ)」や「消息(しょうそく)」と表現されていた。ちなみに郵便はがきの発行がスタートしたのは1873年で、明治時代になってからだ。