被災地・気仙沼市から9年かけて沖縄に流れ着いた杭 その奇跡を追った
2021年3月11日は、東日本大震災から10年目の節目の日。これまでに確認された死者と行方不明者は1万8425人で、震災関連死は3700人以上にのぼる。被災地を中心に「東日本大震災十周年追悼式」が開かれている。
そんな中、被災地から9年かけて約2300キロ先に流れ着いた杭が話題を呼んでいる。
■修学旅行生が撮影し投稿
その杭を撮影し、SNS上に投稿したのは大阪に住む高校2年生のあずさん。9日の午前中に修学旅行で訪れた由布島(ゆぶじま)の植物園で見つけたという。
すげぇ!! pic.twitter.com/KnlJUigtC2
— あず (@GTR35_TRED) March 9, 2021
白い杭の上部は少し欠けており、「気仙沼市」や「路肩注意」という文字が確認できる。気仙沼市では東日本大震災で20メートルを越える津波の痕跡が確認されている。
あずさんは、震災時に小学1年生だったそうで、当時については「あまり記憶はありませんが、少し横揺れで酔ったことを覚えています」と話す。大阪の震度は3だった。
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■植物園従業員が発見
この杭は、民間の植物園「亜熱帯植物楽園由布島」の従業員が、2020年10月に自分が住む西表島(いりおもてじま)の海岸に流れ着いたところを発見。社長と話し合い、植物園に飾ることにした。
由布島は西表島の海岸沿いにある小さな島で、水牛車で渡っていく。修学旅行生や多くの観光客が訪れる人気スポットであることから、「気仙沼市民が訪れた際にはぜひ見てほしい」という想いから、この植物園に展示しているという。
■市道の端に設置されていたもの
気仙沼市役所土木課は、しらべぇ編集部の取材に対して「この杭は市道の端のほうに設置されていたもので、路肩に対して注意を促すためのもの」と述べた。
SNS上には「海流から考えると、アリューシャン南部を通ってアメリカ近辺でUターンしてハワイを経由、黒潮に乗って西表島といった感じでしょうか」「 9年漂っていたとすると2周くらいしているかもしれませんね。それこそ数万キロの旅路」といった声があがっている。