台風12号の予報は”大外れ”? 気象予報士は何を根拠にどう伝えたのか
台風12号は、当初の予想より大きく東に逸れるルートをたどり、今日・24(木)午後3時に温帯低気圧に変わりました。 ネット上では「逸れて良かった」という声が多く聞かれた一方で、「台風どこいった?」と、雨がほとんど降らなかったことに疑問の声を挙げた人もいたようです。
私も昨日の時点で「台風による大雨に警戒」と呼び掛けていましたので、当日になってみて雨雲が思ったより陸地にかからず安堵した一方で、このような「予報の空振り」が相次ぐようでは「気象予報が信頼されなくなってしまうのではないか」と不安になりました。
■大きく違ったコンピュータの計算
じつは大雨にならないことは、全く予想されていなかったわけではないのです。 気象庁は大きく3つのシミュレーション(予報)を同時並行で行っていますが、そのうちの2つが以下です。 どちらも23(水)の日中時点の同時刻に対する予想なのですが、大きく異なっています。
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■コンピュータの計算を気象予報士はどう使ったか
まず、気象庁。 気象庁は当時、今日・24(木)夕方までに関東地方で200㎜、東北地方で180㎜と予想を出しており、「パターン2(大雨)」寄りの予報と結論付けていたと推測します(あくまで私の推測です)。
かくいう私も、気象庁と同じくパターン2寄りの予報を出すことに決めました。もちろんパターン1寄り=大雨にならない可能性も高いとは思っていましたが、防災上の理由から、パターン2の大雨パターンで伝えました。