これまで以上に引き締まった総裁選「公開討論会」 その裏側に2議員らの努力
自民党総裁選に立候補している石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3候補が9日、党青年局・女性局主催の公開討論会に臨んだ。
今回は新型コロナウイルスの影響を考え、会場となった自民党本部の大ホール(400人収容)には一部の党員とマスコミ関係者以外の姿はなく、党員の大半はPCやスマホを通してオンラインで会場と繋がり、新たなリーダー候補たちに質問を投げかけていた。自民党総裁選の公開討論会がオンラインで開催されるのは初めて。
■回答もより濃密なものに
今回のオンライン化に伴い、討論会のシステム全体も一気にスマート化させた。
地方の党員から投げられた質問に、3候補者は1分という制限時間の中で答え、仮に制限時間を過ぎると、運営からベルが鳴らされ強制的に次の候補者に回答権が移るというメリハリのある流れにした。
進行役を務めた女性局長・三原じゅん子参院議員は討論会終了後、集まった記者人に対し「候補者ご本人からすれば(このシステムは)嫌だったと思いますね。質問について1分間だけで答えるの!? という思う部分があったはず。でも少しでも皆さんの声を伝えることが重要なので、あえて1分でスパッと切らせていただきました」と説明。
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■これまでの討論会から進化
同じく会の進行役を務め、オンライン化の仕掛け人である青年局長・小林史明衆院議員は、「これまでの討論会では回答時間を3分にしていたが、1分に短縮。よりスピーディに、より多くの人の声を汲み取れるようにしたかった」と狙いを説明する。
その結果、これまでの討論会に比べると約3倍増となる合計18問の質疑と答弁が生まれ、ネットで繋がった多くの視聴者に3候補者の声をさらに届けるできたとしている。
事前に質問内容をネットを通して受け付け、重複がないかなど精査していたこともあり、討論は非常にテンポよく進んだ。女性の政治参画や、少子化問題、拉致問題、憲法改正といった重要なテーマの合間には、「奥様に感謝の言葉を伝えるなら、どう伝えたいか?」「歴史上の人物に自分を例えるなら」といった、3候補の人柄がでるユニークな質問も飛んだ。
■さらにデジタル化すすめる
小林氏は続けて「8日の所見表明で約20分間政策などについて話しているので、改めて討論会の場で掘り下げると時間がもったいない。なので、所見表明で触れられなかった、または具体性が感じられなかった質問をここで選び、掘り下げていただくようにした」とも説明。
同党青年局、女性局は、新型コロナウイルス騒動が起こる前の昨年9月よりオンライン会議を定例化してきた。「今回もスムーズに進行することができた。これを今後テンプレートにし、地方の声をダイレクトに受けられる自民党を目指す」と、今後も組織のデジタル化を推進していく構えだ。