町役場・田んぼ・駅舎などが芸術作品に 青森県で話題の「アートな村」に聞いた
太宰治や棟方志功を生んだ青森県。そんな青森県のとある村が、「芸術的すぎる」と、今、SNS上で、話題となっている。しらべぇ取材班は、役場や地元で活躍するアーティストから詳しく話を聞いた。
■江戸時代の城主の想いをついでいる
青森県南津軽郡田舎館村は、人口約7700人の小さな村だが、まず役場建物に度肝を抜かれる。江戸時代にこの地域を治めていた、城主の城をイメージして建てられた。
残念ながら、滅ぼされた城主であるため、その想いをこの役場がついでいるそうだ。また、全国で最初に始めた田んぼアートもお見事。
2019年でスタートから27年目を迎えたが、今年は新型コロナの影響で中止になった。色が黄色や紫などになる古代米の稲を、7色10種類使い分けて植えられている。
稲を植える際には、測量技術を用いて、ラインを引いて行われているそうだ。例年6月中旬から稲が色づき始めて、8月上旬ごろに見頃をむかえる。
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■地元の子供たちがワクワクする駅舎に
この村の駅舎もまたアート作品となっている。地元出身で4年前にこの地に戻ってきた、世界的アーティストGOMA氏が、駅舎内のデザインを手掛けた。
駅舎の周辺地域で、幼少時代を過ごしたこともあり、今度は「地元の子供たちがワクワクするような駅舎を作りたい」という想いがずっとあったそうだ。
えー新しいフォロワーさん、初めましてアーティストGOMAと申します!
こんかいみなさんがみた駅は、青森にある田舎館駅と言います、70年前に建てられた駅舎で今回アートしてほしいとのオファーを受け作成。
掃除に1日、ペンキ塗りに1日、アートに9日間かかりました!
是非青森に来た際には田舎館駅へ! pic.twitter.com/6n9RH6KETH— GOMA【公式】 (@gomachan1026) May 17, 2020
5月3日の駅舎掃除から始めて、駅舎内を白のキャンバスに仕上げることに丸1日かけた。さらに、アート作品を完成させるために、9日間を要した。天井の目は、子供の成長や安全を見守ること、また千手観音のような手は、地元住民を優しく包み込むことをイメージしているという。
■世界を股にかけ活躍中
GOMA氏は、保育園の先生を経験後、美大に進み、学生時代からアーティスト活動を始めた。その後、国連とコラボした展示会を開催したり、世界を股にかけて活動中で、アップルアワード2017では世界第二位を獲得。
また、青森ねぶた祭でもデザインを手掛けており、その作品は、東京都の富岡八幡宮に現在寄贈されている。
さらに、この神社の絵馬12年間プロデュースも進行中で、毎年31日は、一日がかりで絵馬のデザインを完成させているそうだ。