家出したい女子高生に群がる危険な男たち 文科省は「胸が痛い」
女子高生がSNSなどで「家出したい」とつぶやくと、そこに群がる男たちの実態が話題になっている。犯罪に巻き込まれないようにする手段はないのか。しらべぇ取材班は、総務省などから話を聞いた。
■「会いませんか」
女子高生が、「家出したい」とつぶやくと、「よかったらどうですか」や「決まりましたか」といったメッセージが寄せられる。さらに「泊めようか」「会いませんか」「お助けしましょうか」などというメッセージが殺到すると話題になっている。
警察庁によると、2018年にSNSを通じて事件に巻き込まれた18歳未満の子どもは1,811人で、統計を取り始めた2008年以降で2番目に多かった。近年は小学生の被害が増えており、昨年は過去最多の55人。中学生は624人、高校生は991人だった。
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■フィルタリングサービス加入の実態
携帯各社は、スマートフォンを使用する子供がインターネットで危険な目に遭わないよう、フィルタリングサービスを実施。
インターネット環境整備法では、携帯会社に対し「スマートフォン利用者が未成年かの確認」そして、「未成年の場合はフィルタリングサービスの説明」を義務付けている。
しかし、「本人や保護者に不要と言われてしまうとそれ以上はどうしようもない」と総務省の担当者は話す。結果、携帯大手3社のフィルタリングサービスの加入率は、平均59%にとどまっている。
さらに、「販売店での待ち時間が長すぎて、サービスの説明時に小・中学生が眠くなってしまっていることや、販売員がいくらこのサービスの契約を獲得したところで、インセンティブが一切ないという実態が加入率に影響を与えているかも知れない」と述べた。
このような状況があったとしても、「インターネットを連絡手段として使わざるを得ない状況の家庭もあり、法律で一律に禁止することもできない」と苦しい胸の内を明かした。
■「胸が痛い」
文部科学省の情報教育担当者は、取材に対して、「児童・生徒が事件に巻き込まれていることについては、胸が痛い」とした上で、「児童・生徒が被害に遭わないようのに、文科省として、動画教材なども作成している。
しかし、現実問題として学校の教育だけでは難しいという一面もある。引き続き学校現場でのSNS教育の充実、そして、家庭での適切な使用がなされるように、努力していきたい」と述べた。