女性園長らが電気消したトイレに児童を閉じ込め 「虐待と捉えられかねない」と足立区
東京都足立区にある認可保育園で、女性の園長と主任保育士が園児をトイレに閉じ込めるなどしていたことが12日、取材で分かった。しらべぇ取材班は、足立区から詳しい話を聞いた。
■「言うことを聞かせるために」
足立区子ども施設入園課によると、10月4日に園の従業員から「園長と主任保育士が児童を閉じ込めている」という通報が区に入った。区は、同月6日に園を運営している明日香(横浜市)を呼び、状況を聴取した。その後同月7日から園長含む11名の従業員全員から、ヒアリングを実施。
区の調査から、閉じ込め行為は2名(園長、主任保育士)のみで行っていたことが判明した。具体的な閉じ込めの内容は、「電気を消したトイレに鍵をかけ、1人にした」や「事務所の電気を消して鍵をかけた」など。
閉じ込めの理由について、2人は、「1歳から2歳の園児が、食事中に走り回っていたため、言うことを聞かせるためにやった」と話したとのこと。
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■「園として一旦リセットを」
区は、一連の行為を、「虐待と捉えられかねない不適切な保育」と重く見ている。そのため、11月1日に文書で改善を指導。10月7日から区の保育士をこの園に派遣し、毎日、指導や助言を継続的に行っている。園長と主任保育士は通報直後から出勤停止となり、10月末に退職した。
子ども施設入園課長は取材に対して、「言うことを聞かないときには、保育の工夫でいかようにもなったはず。しばらくは、区の保育士の派遣を続けるが、園として一旦リセットし、自立してほしい」と話した。
■保護者説明会で謝罪
運営会社は今月9日に保護者説明会を開いて謝罪。担当者は「職員の人間関係の問題もあった。改善に全力を尽くしたい」と話したという。園は0~2歳児向けの施設として昨年4月に開園し、定員は15人。
足立区には、区直営の保育園(指定管理含む)が、41あり、認可私立保育園が92、小規模保育園が27あるが、今も待機児童がいる状態だという。